ギグワーカーのためのスマホで簡単!収入・経費の記録方法 ~確定申告に役立つ最初の一歩~
ギグワークを始めたばかりで、税金や確定申告について考え始めると、「まず何からやればいいのだろう」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれません。難しい専門知識は後回しにして、まず最初に取り組むべき大切な一歩があります。それが、「収入と経費をきちんと記録すること」です。
この記録は、確定申告を行う上で最も基本的な情報となります。また、自分がどれだけ稼ぎ、どれだけ費用がかかっているのかを把握することは、今後の活動を考える上でも非常に重要です。
この記事では、税金知識がまだ少ないギグワーカーの方が、身近なツールである「スマホ」を使って手軽に収入と経費の記録を始める方法を解説します。
なぜ収入と経費の記録が必要なのか
ギグワーカーとして収入を得た場合、原則として確定申告が必要になることがあります。確定申告では、1年間の「収入」から「経費」を差し引いて計算した「所得」に基づいて税金が決まります。
- 収入: ギグワークで得た報酬の総額です。
- 経費: 収入を得るためにかかった費用のことです。
この「所得」を正しく計算するためには、日々の収入と経費を正確に記録しておくことが不可欠です。記録がないと、どれだけ稼いだのか、どんな費用がかかったのかが分からなくなり、正確な確定申告ができなくなってしまいます。また、経費をもれなく計上することで、税金が安くなる可能性もあります。
スマホで記録するメリット
様々な記録方法がありますが、スマホを使うことにはいくつかのメリットがあります。
- 手軽さ: いつでもどこでも記録できます。作業が終わった直後や、経費を支払ったその場ですぐに記録できます。
- 写真保存: 経費のレシートや領収書をその場でスマホのカメラで撮影し、記録と一緒に保存することができます。紙の領収書を溜め込む必要がなくなります。
- 持ち運びの便利さ: スマホは普段から持ち歩くものですから、特別な準備は必要ありません。
記録すべき基本的な項目
収入と経費を記録する際に、最低限含めておきたい基本的な項目は以下の通りです。
【収入の場合】
- 日付: 収入があった日(報酬が確定した日や入金があった日など、ご自身の分かりやすい基準で統一します)
- 取引先(仕事内容): 誰から、どのような仕事で得た収入か(例: 「〇〇社 Webライティング」「△△サービス 配達報酬」)
- 金額: 実際に得た収入額
- 入金方法: 振込、〇〇ペイなど
【経費の場合】
- 日付: 経費を支払った日
- 内容: 何のために支払った費用か(例: 「交通費」「通信費」「書籍代」「配達用備品」など)
- 金額: 支払った金額
- 支払方法: 現金、クレジットカード、〇〇ペイなど
- 支払先: どこに支払ったか(例: 「〇〇駅」「△△書店」「Amazon」)
- (任意)摘要: どのような用途で使ったかなど、補足説明(例: 「〇〇クライアントとの打ち合わせ交通費」「業務に必要な参考書籍」)
これらの項目を記録しておけば、確定申告に必要な情報を整理する際に役立ちます。
スマホを使った記録方法の選択肢
スマホで記録する方法にはいくつか選択肢があります。ご自身にとって続けやすい方法を選んでみてください。
- スマホのメモアプリ: 標準搭載されているメモアプリや、多機能なメモアプリを使います。シンプルに項目を箇条書きにするなど、自由な形式で記録できます。手軽に始められますが、集計は手動で行う必要があります。
- スプレッドシートアプリ(Google スプレッドシート、Excelなど): 表計算アプリのスマホ版です。あらかじめ列を作っておけば、項目ごとに整理して記録できます。簡単な計算も可能で、パソコンと連携しやすいのがメリットです。
- 家計簿アプリ・確定申告対応の会計アプリ: 収入・経費の記録に特化したアプリです。項目入力が効率的で、自動で集計してくれたり、確定申告に必要な形式でデータを整理してくれたりするものもあります。中には無料で使えるものもあります。本格的に記録を始めたい場合に適しています。
どの方法を選ぶにしても、大切なのは「継続できること」です。まずは一番手軽に始められる方法から試してみるのが良いでしょう。
スマホを使った記録の始め方(ステップ)
税金知識ゼロでも、まずはこのステップで記録を始めてみましょう。
ステップ1:記録する項目を決める 先ほど紹介した基本的な項目(日付、内容、金額など)を参考に、自分が最低限記録しておきたい項目を決めます。最初から完璧を目指さず、まずは必要最低限から始めるのがコツです。
ステップ2:使用するツールを選ぶ メモアプリ、スプレッドシート、会計アプリなど、いくつか試してみて、一番入力しやすく、続けられそうなツールを選びます。
ステップ3:収入が入金されたらすぐに記録する習慣をつける 報酬の連絡があった時点や、実際に入金があった時点で、その都度スマホで記録する習慣をつけましょう。後回しにすると忘れてしまうことがあります。
ステップ4:経費を支払ったらレシートや領収書をスマホで撮影し、記録と紐づける 経費を支払ったら、必ずレシートや領収書を受け取ります。その場でスマホのカメラで写真を撮り、記録した経費の行と一緒に保存しておくと、後で確認する際に便利です。紙の原本も、すぐには捨てずに一定期間保管しておくことをお勧めします。
ステップ5:定期的に記録を見返す習慣をつける 週に一度や月に一度など、定期的に記録した内容を見返す時間を作りましょう。記録漏れがないか確認したり、経費の合計を把握したりすることで、自身の活動状況も把握できます。
記録を続ける上でのポイント
- こまめに記録する: 一度にまとめてやろうとせず、発生する都度こまめに記録することで負担が減ります。
- 自分にとって分かりやすい項目分けをする: 経費の項目名は、確定申告で使う勘定科目を意識すると後が楽ですが、最初はご自身が理解しやすい分け方で構いません。例えば、「交通費」「通信費」「文具代」「セミナー代」など、具体的な内容で分けてみましょう。
- 領収書やレシートは必ず保管する: スマホで撮影したとしても、原則として紙の原本も保管しておきましょう。税務調査などがあった際に証拠となります。
まとめ
ギグワークで収入を得たら、税金や確定申告の前に、まず収入と経費を記録することから始めましょう。スマホを使えば手軽に記録を続けることができます。
記録は、確定申告の準備になるだけでなく、自身の活動状況を把握し、今後の目標を立てる上でも役立つ大切な習慣です。まずはこの記事で解説したステップを参考に、ご自身に合った方法で記録を始めてみてください。
日々の記録が、確定申告への不安を和らげ、スムーズな手続きにつながります。税金に関するさらに詳しい情報や個別のケースについては、税務署の窓口や税理士にご相談いただくことも検討されてください。