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ギグワーカーのための住民税・個人事業税入門 ~確定申告で終わりじゃない?~

Tags: 住民税, 個人事業税, 確定申告, ギグワーカー, 税金入門

はじめて確定申告を終えて、ホッと一息ついている方もいらっしゃるかもしれません。収入の計算、経費の整理、申告書の作成、提出と、初めての経験はとても労力がかかったことと思います。これで税金の手続きは完了だとお考えでしょうか。

実は、確定申告は主に「所得税」という税金の手続きです。所得税の確定申告をすることで、その年の収入や経費、そして所得が明らかになりますが、この情報をもとに計算される別の税金があります。それが「住民税」と「個人事業税」です。

この記事では、ギグワーカーの方が所得税の確定申告後に知っておきたい、住民税と個人事業税の基本的な仕組みについて、分かりやすくご説明いたします。

住民税とは

住民税は、私たちが住んでいる都道府県や市区町村に納める税金です。地域の行政サービス(教育、福祉、消防など)の費用をまかなうために使われます。住民税は、一般的に「市町村民税」と「道府県民税」を合わせたものを指します。

住民税の計算方法

住民税の金額は、主に以下の2つの要素で計算されます。

  1. 所得割: 前年の所得金額に応じて計算される部分です。確定申告で計算された所得の金額をもとに、一定の税率をかけて計算されます。所得控除なども考慮されます。
  2. 均等割: 所得金額に関わらず、一定の金額が課される部分です。住んでいる自治体によって金額は多少異なりますが、多くの場合は年間数千円程度です。

つまり、所得割については、所得税の確定申告で計算された「所得」の情報がそのまま使われます。確定申告の内容が、お住まいの市区町村に送られ、それに基づいて住民税が計算される仕組みです。

住民税はいつ、どうやって納めるのか

確定申告を終えた年の通常6月頃に、お住まいの市区町村から「納税通知書」が届きます。この納税通知書に、その年に納める住民税の金額と、納める期限が記載されています。

納める時期は、一般的には年に4回(通常6月、8月、10月、翌年1月)に分けて納付するか、まとめて一度に納付するかを選べます。会社員の方は給与から天引きされることが多いですが、ギグワーカーのような個人事業主の場合は、自分で納付書を使って納めることになります(これを「普通徴収」といいます)。

個人事業税とは

個人事業税は、法律で定められた特定の事業を行っている個人に対して課される税金です。都道府県に納めます。

課税される事業の種類

個人事業税が課されるのは、地方税法という法律で定められた70種類の事業です。すべてのギグワークが対象となるわけではありません。

例えば、Webライターやデザイナー、プログラマーといった職種は、一般的に個人事業税の課税対象となる事業に含まれます。一方、フードデリバリーの配達員などは、通常、個人事業税の課税対象にはなりません。

ご自身の行っている事業が個人事業税の対象かどうかは、お住まいの都道府県の税務署や税務課のホームページなどで確認できます。

個人事業税の計算方法

個人事業税の税額は、以下の方法で計算されます。

所得金額から290万円の「事業主控除」という金額を差し引けるのが特徴です。さらに、青色申告特別控除などの控除がある場合は、それも差し引くことができます。

税率は事業の種類によって異なりますが、多くの場合は5パーセントです。

所得が290万円以下であれば、個人事業税はかからないことになります。

個人事業税はいつ、どうやって納めるのか

個人事業税の対象となる事業を行っている場合、通常8月頃に都道府県から「納税通知書」が届きます。

納める時期は、通常8月と11月の年2回に分けて納付します。

初心者が知っておくべきポイント

まとめ

ギグワーカーとして収入を得た場合、所得税の確定申告に加えて、住民税や、事業内容によっては個人事業税も納める必要があります。これらの税金は、確定申告で明らかになった所得をもとに計算され、通常、夏頃に納税通知書が届きます。

はじめての確定申告を終えられた方は、次に届く税金に関する通知書にも目を配ることが大切です。税金について正しく理解し、計画的に備えることで、安心してギグワークを続けていくことができます。

もし税金に関して不安なことや疑問点があれば、お住まいの自治体の税務課や税務署に相談することをおすすめします。